鈴豆そうさく日記

自作イラストやドールドレスの紹介、日々の片付けや独り言などゆるゆる綴っていきたいです。

男女逆転版「大奥」読了!!

こんにちは、鈴豆です。

最終話まで読めるかどうか心配で大慌てで読み進めていた、よしながふみ先生の「大奥」ですが、無事読了です!!

最後の方はもう…男女逆転であったことも見事に回収されていて、

「本当に歴史はこの通りだったのではないか」

って思えるほどです。

まず日本が何故「鎖国」をしたのか、それは「赤面疱瘡」が日本の風土病であり、諸外国は男子が女子と同じだけいる。その事実を知られてしまったら、戦をしかけられて日本はひとたまりもなく奪われてしまう。事を秘密裏にするために国を閉ざした…、あぁ、納得!!

また、非力な女でも農作業が楽になるように、「千歯扱き」などの便利な農具が開発された、というのも、なるほど!!と。

14巻くらいまでは読んでいたので結構余裕がありましたので、遡って読み直したりしてます。

11巻までは紙の本で持っているのですが、その後はラインマンガで読んだきりだったのでやはり色々忘れていて。

もう!!この作品に中学生か高校生位で出会っていたらば~~~!!!という名作です。江戸後期なんて特にめちゃくちゃややこしいし…日本史苦手でした。いや、世界史も苦手だった…はぅ。

とりあえず、この作品を読んでいれば15代将軍の名前を順番通りに覚える位はたやすいと思いますし、その時の老中だとか、その頃に何が起きただとか…教科書で覚えるのは大変ですが、ストーリーがあるからストンと落ちるのですよ。

赤面疱瘡のワクチンのあたりも、全国民男子に接種義務、の触れを出すのですが、公費負担なのに副作用を怖がって逃げる者もいた(実際、副作用と言うか、このワクチンは「軽く赤面疱瘡にかからせる」というもので、これが強毒化して約3%の割合で死ぬ確率がある。ただし、赤面疱瘡に感染した場合の致死率は80%)、というのが、今のコロナワクチンにも通じるような。

副反応を怖がってタダなのに受けない人、いますもんね。

ただ、赤面疱瘡の場合はワクチンを受けて、死ななかったら一生赤面疱瘡にかかる事は無いけれど、コロナワクチンの場合は何度も接種して、それでも感染する時はするという…、ただ、ワクチンをずっと受けていれば症状が軽くて済む、という統計はあるようですよ。あっちこっちから、正しいのかデマなのか解らない情報が飛び交う現代ですから、怖い情報が流れてくればドキッとしますよね…。

で、ワクチンが成功したので、11代、12代将軍は男子がなるんですが、それぞれ子供が55人、27人、と大量に生まれてしまって財政ひっ迫に陥ったため、13代は再び女将軍に。13代家定の御台所が、おなじみ「篤姫」こと胤篤なんですね。

ただ、この頃には男子が女子と同じ位に人口増えるので、一般には男が働き、女は家の仕事、という風に変わって行きます。

表向きの仕事もどんどん男が担う様になり、幕末の頃の立役者のほとんどは男になって行きます。竜馬が後ろ姿だけの登場、新選組もセリフだけの登場でしたが。

だから、登場人物が殆ど男になっていくので、絵面が地味と言えば地味(笑)な回も増えますね。そして文字の多い事…。

本当、幕末のあたり、一体だれがどういう立場でどういう思想を持っていて目的は何なのかとか…解りにくくて混乱するんですけど、マンガだと、あぁ~、ってなるんですよね。でも「マンガで読む日本史」とかじゃなく、ちゃんとストーリーが面白くなかったら中々頭には入らないものです。

もうね、多分最後の勝海舟西郷隆盛の談合のあたり…読者の皆様、西郷どんの事、ボッコボコにしたくなりますから!!!!!間違いない!!!!!

描かれ方によって、こうもやな奴~、ってなるんですね…。

でも西郷の言い様にブチ切れた和宮様の活躍によって、西郷も旧幕府側の要求をおおむね飲むことになります。

…正直この作品だと、慶喜の命なんてどうでも良い(酷)けど、やはり徳川将軍を処刑って事になると、旧幕府軍が黙って無くて、内戦が起きるだろうと言う事で、慶喜は助命されて、高い位をもらって趣味三昧で暮らすんですよね。あくまで「この作品では」何だか腹立たしいのですが、慶喜の存在感自体が非常に薄い。ラスト全然出てこないし。

ここまで酷い描かれ方(酷いと言っても史実にはかなり忠実っぽいので…、同じ事実でも見方によってはこう変わる、みたいな)だと、何年か前にやってた慶喜主人公の大河、見たくなります。録画は残ってるんじゃないかな…、う~ん、探すだけでも大変;;

ただし、女が代々この国を治めて来たことは極秘、表向きは文献にも、将軍は「男名」で記されているし、諸外国に対しては、ずっと男の将軍だった、と言う事で諸外国への体面を保つことになります。

200年以上、歴代将軍をはじめ、多くの老中や、庶民に至るまで、女が労働の一切を担いながら、パリやロンドンに匹敵するほどの「江戸」という大都市を必死に築いてきた過去、それをすべて捻じ曲げて蓋をし、手柄は全て男の物とする…。それでも良いから、過去の女たちが守り、育て、築き上げた江戸の町に一切傷をつけるな!!という和宮様の決死の訴え…、美しい、ため息物です。

幕末の頃の主要人物は大抵「写真」が残っているので、この辺りの時代の登場人物は男にすることで違和感が無い。和宮様は本当は男だったけれど、身代わりの女性が来たからそのままで問題ない。篤姫だけは、女性の「身代わり」を立てて写真を撮るんですね。

皮肉にも、男子人口が戻り、開国をしたことで、歴史は一般に知られているように「男尊女卑」の時代になっていくわけですが…、ラストには女性の明るい未来が示唆される感じで終わります。

滝山や篤姫のその後のエピローグはフィクションかな~??って思いますが、篤姫が持ち金をほぼ使い果たした、っていうのは史実らしいですね。ただ、道楽では無くて、元大奥の女たちの嫁入り先や仕事先の世話をするため…だったようですが。

和宮様は若死にし、篤姫もそれほど長生きはしなかったらしいので、それを思うと切ないですが…でも、物語としては和やかな終焉を迎えます。

本当、お勧めです!!!!

きっと大人気で古本界隈でも高額か売り切れ~、になってそう(定価で買えやコラァ)。

ドラマが大政奉還までやると言ってたので、この長い話を!!??ってどうなるんだろう~、ってドキドキしますが、原作を最後まで読めたので満足です。完全に映像化しようと思ったら2年は欲しいですね~。

ドラマの方はあちこち端折って、結構ペースが早いような感じですが、まさか1クールだったら泣く…。

無料公開期限がもうほとんど無いのですが…本当機会がありましたら是非一読をお勧めします!!

またこのような名作に出会えますように。本当に…

中学か高校位で出会いたかった作品です。もしその位の年頃のお子様がおられる方は勉強のためにプレゼントされてみては、と思います。古典の勉強に「あさきゆめみし」がおすすめなのと同じ。マンガで、ビジュアルが綺麗だし、ストーリーが面白いから本当に頭に入りやすい!!

日本史で苦労した日々を返してくれぇ~~~~、な気持ち(;^ω^)。

それでは、立春まであと約2週間…、今がまさに真冬、暦通りに大寒波襲来中なんですが、でも日が沈むのが随分遅くなって来たなぁ、とは感じます。季節は確実に進んでいるのですね。

穏やかな春が来ますように。平和な世が来ますように。

値上げラッシュに歯止めがかかりますように(超切実)。

お付き合い下さいまして、有難うございました!!