こんにちは、鈴豆です。
もう大分前ですが、吉田秋生先生の「BANANA FISH」がアニメ化されるというので気になっていたのに見逃してしまって…その頃ドタバタと忙しかったのでまぁ良いか…と諦めていたのですが…
ラインマンガのキャンペーンで8巻まで無料公開されていて、数十年ぶり（！！）読み返したらめちゃくちゃ面白くて！！続きが気になってアニメ探しました。
アニメ化って原作のストーリーや展開や設定を変えちゃったりする事が多いですが、アニメ「BANANA FISH」はかなり原作に忠実でした。主要キャラはキャラデザインが多少違和感あるけど、美形キャラ以外はほぼそのまんま！！時代が現代になってるから、連載当時（80年代）とは背景が変わって、「ベトナム戦争」も「イラク戦争」に変更。登場人物がスマホを持っているとか。
スマホ持ってるならそんなすぐに「消息不明」になるだろうか…。GPSとかついてないの？？とかちょっと気にはなります。原作連載時はスマホどころか携帯も無かったから、そこを変更すると、キャラクターの行動の仕方も変わっちゃうし…。そこは80年代設定のままで良かったのかも？？それと24話で終わらせるためにはあちこちエピソードカットもされている。その位です。
個人的にはこの「アッシュがお坊ちゃまに変装してリスにエサをやるシーン」が美しすぎて…ここはアニメでも見たかったけれど残念ながらカットされてた…(-_-;)。モノクロの絵からも、アッシュが来ている服が非常に高価な物であるのが伝わってくる…！！
2018年フジテレビ。
地上波放送だったのですね…はああ、全話永久保存したかった…！！
もう一気に！！一気に見ました。
昼前に見始めて見終わったら夜中！！
ここまで、どんどん先が気になって一気にアニメ見たのはいつぶりだろう。大抵は面白くても途中で疲れて…ってなるんですけど。中だるみが一切無いんです。2時間程度の映画ですら途中で何度も休憩挟みたくなるのに、もう一話、もう一話だけ見たい！！って言う内に最終回。
原作リアルタイムの時は私も流石に子供だったので、結構訳も解らずに、迫力に圧倒されてただ面白い！！って思ってたんですけど、一気に見ると一応ちゃんと話し解る…つもり。いや、あちこち難しくて完全に理解は出来て無いかもですが。
簡単なストーリーとしては、アッシュの兄が戦争中に薬でやられて、廃人に。うわごとのように口にする「バナナフィッシュ」の正体を突き止め、兄の敵と自身の自由を勝ち取るために…というのが発端ですが、どんどん一個人の復讐のスケールでは無くなって行きます。
原作の4巻くらいまでは、絵柄が「AKIRA」の大友先生みたいな、割と男臭い感じなんで、その辺で脱落された方も多いと思うのですが（私も最初方はあんまり記憶になかった；；）、5巻くらいからアッシュがドンドンイケメン化して行って、9巻10巻くらいで絶頂の美形に（個人の感想です）。
最初からアッシュは「カワイ子ちゃん」って言われてるものの…絵的に可愛い？？体格も結構がっしりだし…（そう言えば「AKIRA」のケイという女の子も美少女設定だったけど…男にしか見えなかった…）。美形には最初は見えなかったんですけど。
その点アニメでは一話からしっかり美形ですから！！！
一応ラストは知ってただけに…、あああ、だってほぼほぼいろんな問題にケリがついて、ハッピーエンドで行けただろうに…あああああ～～～～(T_T)。切ない、ただただ切なくてキュ～っと来ました。ご都合的かもしれないけれど、ラストだけ変えて欲しかった、なんて思ったり（変えたら変えたで絶対苦情来そうだし、ここまで原作に忠実なアニメ化って珍しい）。
この話はBLものにくくられる事が多いですが、主人公のアッシュと英二の間には肉体関係は一切ありませんし、恋人でもないです。そこがまたいい。これが英二が女で、恋愛の話だったら…それでもこの話は決してチープにはならないけれど、やっぱりここまで深くなっただろうか、と。
何の見返りもない愛情。恋愛感情ではなく、魂と魂の結びつきと言うか、どう言葉にしたら良いんだろう。これが男女の関係なり、BLなりで肉体関係があると「何の見返りもない愛情」にならないのかもしれません。
BL作品では無いですが、アッシュは類まれなその美貌ゆえに幼いころから大人たちに食い物にされ続けてきました。愛情であれ恋人であれ、アッシュに性的な関係を要求するなら、それはもう「見返りの無い純粋な愛」では無いのかも。
宿敵である「月龍」は、これでもかと言う位、英二が大嫌いで、英二の命を執拗に狙うのですが、私は以前は、「月龍はアッシュに惹かれていて、そのアッシュが大事にしている英二に嫉妬している」のかと思っていましたが、月龍が嫉妬していたのは「アッシュ」に対してでした。
アッシュも月龍も「何の見返りもなく愛し愛された事の無い」孤独な少年でした。アッシュには優しいお兄さんはいたけれど、幼いうちに戦争に行っちゃって廃人。月龍も「母の愛」は覚えているのだろうけれど、幼くして一族に目の前でなぶり殺し。壮絶な孤独と悲しみと憎しみの中で生きて来た二人。だけどその「愛」と「安らぎ」をアッシュが手に入れようとしている事が許せなくて、英二を失って自分と同じ修羅の道に引き込みたかったと。
月龍が今後「愛」を手に入れられるかどうかは不明ですが、シンという仲間が残り、英二を追う事はやめたっぽい、結構微笑ましい？シーンで登場終了。
本当にこれが女性作家による少女漫画誌連載作品だったなんて信じられない程、女性キャラは出て来ません。マックスの元妻のジェシカ位？それですら違和感がある位、女性がほぼ出てこない…！！ショーターの姉もアニメだと登場少ない。後はモブキャラで出てくるくらい。女性無しのマンガが成立するなら、男性無しのマンガも成立するよね～。あ、「沈黙の艦隊」もこれ以上に女性出てこないわ。映画はもしかしたらオリジナルキャラとかで出てるかも？？
アッシュの入院中に出て来たナース軍団とか。排泄ケアなんて正直嫌な仕事だろうに…確かにアッシュの介助だったら「取り合い」になるかも？流石プロのナース、取り合いはせずに「ちゃんと順番は決めてある」らしいです。秩序は大事だね！！マジレスするなら…手術後に尿管外れているなら、一人でトイレに行けるという判断なんだと思いますけど。
すごいシリアス展開から違和感なくギャグが入るのもとても面白い。
アッシュには14歳の頃「本気で好きになった女の子」がいたらしいのですが、関係が進展しないまま殺された、と、それも英二との会話で登場するのみ。シルエットすら出てこない。そのエピソード、見たいような見たくないような。番外編であったっけ？？覚えてない…でもアッシュが好きになったのがどんな女の子だったのか…気になるけど、イメージと違う女の子だとガックリ来そうだから、読者それぞれの想像にお任せ、って良いのかな。
それでも、叶わぬ事だとは思いますが、「もしもアッシュが英二とともに日本に行けていたら」というパラレルワールドほのぼの後日談とか…読んでみたい…。このままじゃ悲しすぎるよぉ～～～。幸せほのぼのいちゃいちゃ（もうBLでも何でもいいや、アッシュが幸せなら）裏ルートが見たいです。
原作は実家にあるはずだから…はぁ～、読み返したい。今度帰省したら持って帰るか～。
本当に名作なので、機会がありましたら是非。
もう一回見ようかなぁ～。残念ながら「スクショ」は撮れなかった…。
一日バナナフィッシュ祭り？で腰が痛いけれど、充実した一日でした。
それでは、読書の秋ならぬ「アニメの秋」、私の稚拙な文章では感想にすらなってませんけど…お読みくださいまして有難うございました！！
